ルノー ルーテシア vs プジョー 206 |
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対決!コンパクトカー 過去の対決!コンパクトカー |
最近急速にボディーサイズが大きくなっているヨーロッパのBセグメントの新旧2台 ルーテシアと206を比較して、どんな変化があるのか考えてみます。 (206は既に本国フランスでは207となり、ルーテシアよりさらに大きいボディーサイズとなっています。) デザイン面 ルーテシアはかなりシャープで存在感があるフロントは最近のルノーのデザインに則ったデザインで、多少ニッサンのイメージも感じられます。 後ろから見ると少し昔のイメージを残していて、かわいらしさも感じられます。 お尻がキュートなのはメガーヌ譲りでしょうか。 バランスが悪いような良いような不思議なバランスですが、よく見ると目に馴染んでくるのはさすがにフランス車と言った所です。 全体では、セダンのイメージで高級感を出そうとした感じですね。 206はプジョーの最近の自社デザインの方向性を決めた車で、丸っこくかわいさを感じるデザインです。 猫目のヘッドライトが嫌味になっていないのは上手いバランス感覚ですね。 全体のボディラインはスムーズさに欠けますし、全体的に付帯物が多いデザインはちょっと古さを感じる部分です。 ハッチバックらしい動きを感じさせるボディーラインに付帯物で楽しさを加えた感じでしょうか。 デザインでは、ハッチバックから抜け出してセダンのデザインを取り込んだルーテシアと、丸さと付帯物を多くして楽しさを演出しようとしたハッチバックらしいデザインの206といった感じです。 内装と操作系 ルーテシアはインパネ廻りは楕円を縁取りして強調した、結構にぎやかなデザインです。 色分けが細かく ちょっとしつこい感じも受けますが、操作部分は集中していて操作は分かりやすそうです。 新しいデザインをという意識は分かりますが、長く乗ると継ぎ目あたりが気になってくるかもしれません。 206はダイナミックな造形のインパネ廻りは大胆な曲線の組み合わせですが、さすがにちょっと古さも感じます。 操作系はコンパクトにまとまっていて、ルーテシア同様使い易そうです。 どちらも外見に似た流れでデザインされていますが、シンプルな物を細かく組み合わせてまとめたルーテシア、ちょっと古さを感じるがダイナミックな形で動きを表現した206。 デザインの方向性はかなり違いますが、操作性は共に良さそうで、このあたりの人間工学を踏まえた良心的な部分は好感が持てます。 ボディー面 ルーテシアは4m弱、幅1,720mmで3ナンバーです。 206はルーテシアより155mm短く40mmm狭く、45mm低いです。 つまり全体的にルーテシアが大きくなっていることが分かりますが、日本車より低く幅を広げているという印象です。 ホイールベースはルーテシアが206より135mm、トレッドが前25mm 後30mm増えています。 内部空間を満遍なく増やしたという印象が強い数字となっています。 大きくなったルーテシアが206より40kg重く、これは順当でしょうか。 新ルーテシアと旧206を比較すると、全ての数字がバランスよく大きくなっているという印象を強く受けます。 このあたりは、3ナンバー枠がある日本車が内部空間確保のために高さを増やした状況とは異なり、走りの安定性を保ったまま大きくしたヨーロッパ車との違いが見られます。 ヨーロッパのBセグメントが正常進化で大きくなっている状況が良く分かります。 メカニズム面 この部分は、メーカーの方向性により変わってくる部分が多いのですが流れが読み取れるほどの変化があるのか見ていきます。 ルーテシアと206はどちらも1.6LDOHC、206が気持ちロングストロークでルーテシアがほぼスクエアです。 ルーテシアは最大出力82KW(6,000rpm)最大トルク151Nm(4,250rpm)、206は最大出力80KW(5,800rpm)最大トルク147Nm(4,000rpm)。 ほとんど変わらないと言って良い数字です。 ATは共にトルコンで、シフトタイミングなどの制御はルーテシアがよくなっていると思われますが、特に目立った違いは在りません。 ブレーキも同等で、タイヤは選び方がちょっとちがう程度の違いです。 メカニズムでは目立った変化というより、洗練されたといった感じではないでしょうか。 総評 ルーテシアはこれからのヨーロッパ車のサイズを示している車だといえます。 サイズが大きくなった分、より高級車をイメージさせるデザインとなっている点が目に付きました。 それは内装にもいえるようで、デザインの自由度が広がって新しいデザインを試しているようにも見えます。 メカニズムは変化より洗練の方向で進化しているようです。 206を改めてみると、狭い日本の道では逆にコンパクトさが美点になる部分もありそうです。 外・内部のデザインを見ると古さを感じる反面、落ち着く感じも受けます。 メカニズム面では目立った変化は無いようですが、ATあたりは古さを感じるかもしれないところが欠点でしょうか。 いずれにしても、新しいルーテシアは旧い206より大きく洗練されているという点が最近のヨーロッパ車の流れのようです。 全体から受ける印象は、なんとなく Bセグメントにあった各車の個性の面白さが薄くなり、現在のCセグメントの洗練さを競うような状況になっていくことを感じさせる結果となりました。 新しいプントと207が揃った時に改めて考えると、この流れがはっきりするのではないかと思います。 用語について 左 プジョー 206 右 ルノー ルーテシア 以下 仕様です。 206はXSグレード、ルーテシアは1.6AT 5ドアグレードを紹介します。
data:2006/06/08 ページトップへ 車を考える部屋 |
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