シトロエン C2 1.6VTS vs スズキ スイフトスポーツ2007年11月掲載 |
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過去の対決!コンパクトカー |
フランスと日本に、同じような薫りを放つ真面目なホットハッチがあります。 一方は シトロエン C2 1.6VTS で、もう一方は スズキ スイフトスポーツ です。 スイフトスポーツはマイナーチェンジしたものの、基本は変わらず、細部をブラッシュアップしました。 どちらもNAで、求めている部分が似ているように感じられる2台を早速比較していきましょう。 デザイン面 C2 1.6VTSはベース車とほとんど同じデザインです。 大きくアーチを描くラインの組み合わせで意外なシャープさを引き出しています。 シトロエンらしくない若々しいデザインで、リア部分のエッジの利いた切れ方もスポーティーさを上手く引き出しているようです。 スイフトスポーツはフロントラインはC2に似た曲線ですが、屋根はほぼフラットでこのあたりはミニにも似ています。 そこにホットハッチらしいメッシュフロントグリルや2本出しマフラーを追加することで力強さを強調しています ベース車がシンプルかつクリーンなまとめ方だったので、ちょっとしつこい感じも受けますが、先入観なしで見るとホットハッチとしてまとまったデザインと言えます。 デザインでは、曲線ベースのボディーラインにシャープさを上手く取り入れたまとまりの良いC2 1.6VTSと、クリーンなデザインの中にホットハッチらしいデザインを取り込んだスイフトスポーツといったところでしょう。 デザイン面ではスイフトスポーツに変化がほとんど無いので、前回の対決と同じ感想です。 内装と操作系 C2 1.6VTSは、シートはノーマルと同じ形で素材が変わります。 インパネ廻りはブラック基調になり、楽しさを感じさせる形が少し裏目に出たような感じもします。 クロームメッキのシフトノブとアルミのペダルで、操作部分はスポーティーモデルを強調しています。 スイフトスポーツは、シートがしっかりしたスポーツシートで、ペダルもステンレスとホットハッチらしく、全体的にしっかり作り込んであるのが印象的です。 今回はグレーのシートも選べるので、ちょっと落ち着いた雰囲気にも適応する幅が広がりました。 ここでは、手は加えてあるがちょっと中途半端にまとめてしまったC2 1.6VTSに、ちょっとスタンダードすぎるくらいにホットハッチらしい内装のスイフトスポーツという感じですが、グレーのシートを選ぶと落ち着いた雰囲気も演出できる点で、スイフトスポーツは適応する年齢層が広がったようです。 ボディー面 C2がスイフトより一回り小さく、ホイールベースを見ると2,310と軽自動車よりも短いほどのショートです。 トレッドもC2が狭いのですが、重心を考えるとスイフトの高さが気になる部分でほとんど同等でしょうか。 しかし、車重はC2が40kg重く、ほとんどドイツ車並みの重さがあります。 各寸法からくる軽快さを車重が邪魔した感じも受けるC2と、高さは少し気になるものの それ以外はバランスよくまとめたスイフトといったところでしょうか。 このあたりはスイフトのマイナーチェンジ前と同じですね。 メカニズム面 C2のエンジンはトルクを見ると143Nmを3,750rpmで発生している低回転型に見えますが、最大出力90KWは6,500rpmで発生とかなり高回転型とも感じます。 気持ちロングストロークでフラットトルクを狙いつつ、高回転まで伸ばしたエンジンでしょうか。 スイフトは気持ちロングストロークのエンジンを真面目に正攻法でチューニングしているようです。 最大出力92KWは6,800rpm、最大トルク148Nmは4,800rpmと素直な高回転型エンジンです。 今回、カットオフ回転数が7,500rpmまで上がった上にキア比にも微妙な変更が加わり、高回転部分をより有効に使えるような変更が行なわれました。 タイヤは195/45R16対195/50R16と両車とも十分な大きさで、ブレーキも同等です。 ここでは、気持ち真面目で万人向きのエンジンであるC2と、ホットハッチとして高回転を重視した典型的なエンジンのスイフトといえます。 スイフトはより高回転域を有効に使えるチューニングが施された為、C2の普通っぽさがより目立つ形となりました。 足廻りやブレーキは、共に1トン強のホットハッチとしては十分なものといえそうです。 総評 C2 1.6VTSは、元々スポーティーな作りのクルマを軽くチューニングした品のよさと、ホットハッチとしてはちょっと食い足りない部分を併せ持った感じがします。 品のよさを重視したために、スポーツ性が薄いとも言えそうです。 対するスイフトスポーツは、ホットハッチのスタンダードな手法で真面目に作り上げすぎた為に、べース車のクリーンさをスポイルしてしまった感じを受けました。 ですが、ホットハッチという性格を考えると適度な演出とも言えそうです。 ホイールベースが短いC2は2人乗車がメインで、スイフトは4人乗車でも十分使えそうです。 エンジンでは、実用部分を忘れていないC2 1.6VTSに対して、高回転に的を絞ったスイフトスポーツと考え方が分かれています。 両車とも性能的には同等で甲乙付けがたいのですが、デザインやチューニングの方向性には結構対照的な部分も多いようです。 普通さの中にホットハッチの実力を秘めたC2 1.6VTSに対し、外見も含めてNAホットハッチの典型的なチューニングのスイフトスポーツ。 どちらがより自分の好みに合うかを考えれば、自ずからどちらかを選択できそうです。 左 シトロエン C2 1.6VTS 右 スズキ スイフトスポーツ 以下 仕様です。
data:2007/11/11 ページトップへ 車を考える部屋 |
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